ワシントンに激震　　＜本澤二郎の「日本の風景」（２５１６） - 七転八起Shichitenhakki

2016/10/23 (Sun) 20:44:19

http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52155972.html




＜マニラのリベラル・独立外交＞

　「麻薬・やくざの人権」を擁護したワシントンに対して、フィリピンのドゥテルテ大統領は、怒り心頭よろしく「独立国への内政干渉は許せない、米軍はいらない」と沖縄の人たちが聞いたら感動する言葉を、彼は北京でも鮮明に厳命した。アキノ前政権のような、ワシントンの奴隷外交を否定する、というのだ。フィリピンの沖縄化による、北京包囲網の策略は潰えてしまった。目下、ワシントンに激震が走っている。マニラの独立外交に軍配が挙がった格好だ。これは、アジアの平和と安定に貢献することになろう。快挙である。　






＜東京は国粋主義の戦後体制破壊志向＞

　その点で、ワシントンのポチの東京は、当面は心配はいらない？内閣の支持率は低くない。新聞テレビは、すべてCIAに忠実である。NHKも朝日も読売化してくれている。

　だが、本心から安心はできない。彼らはワシントン枢軸の戦後体制を破壊しようと必死なのだ。いうなれば、ベルリンにナチスの残党政権が誕生したようなものである。
　安倍を操る日本会議は、侵略の原動力となった戦前の国家神道勢力である。不気味な宗教イデオロギーが原動力である。
　ワシントンの、リベラルな研究機関やリベラル外交官の警戒心は相変わらずだ。


＜北京とモスクワはにんまり＞

　東京とワシントンが仕掛けた南シナ海問題は、やくざ退治で国民的英雄となったドゥテルテ政権によってとん挫した。やくざ壊滅作戦に横やりを入れた欧米に激怒した大統領は、一転して経済力を高める北京と、軍事国家のモスクワに舵を切った。
　ワシントンの奴隷・服従外交が、結果的にマニラの新政権を覚醒させたものだ。いまごろになって、CIAはマニラの親米派を使って反撃させているが、せいぜい線香花火程度である。
　ドゥテルテのやくざ壊滅作戦に熱狂している国民を、左右する力などない。下手に打って出ていくと、背後のやくざを射殺される？ことほど麻薬とやくざのフィリピン社会なのだ。日本並みかそれ以上だろう。
　ワシントンとの対決に屈しないモスクワと北京は、内心にんまりしている。


＜モスクワは毛ばり作戦＞

　モスクワは、日本の国粋主義政権を手なずけようと熱心である。
　北方領土問題を毛ばりに用いて、日本からの経済協力を取り付けようと力を入れている。安倍も後見人の森も、シベリアの石油・天然ガス利権に関心が強い。「２島返還でも構わない」という思いを漏らしている。
　果たして、国民は２島で満足するか？４島は国粋主義として一歩も妥協できない主張である。内部から反発される可能性が強い。
　こうした安倍のモスクワ接近に、ワシントンの外交当局はいらついている。
　ワシントンのポチを、とことん信用できない点に、ワシントンの苦悩がある。

　大局的に眺めると、昨今のワシントンは、大統領選が象徴するように、黄昏時に呑み込まれているようなのだ。戦争屋にブレーキがかかるのか、それとも大暴走が始まるのか、２０１７年もまた要注意であろう。


２０１６年１０月２３日記（政治評論家・日本記者クラブ会員）