新内閣　石破派ゼロで安倍政権暴走の始まり？党内から懸念の声（スポニチ - 七転八起Shichitenhakki

2018/09/24 (Mon) 11:29:20

新内閣　石破派ゼロで安倍政権暴走の始まり？党内から懸念の声（スポニチ Sponichi Annex）
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　１０月初旬の内閣改造で、自民党総裁選で安倍晋三首相（６４）と戦った石破茂元幹事長（６１）率いる石破派が冷遇される可能性が高まり、自民党内から「国民の不信感を招くのでは」と懸念の声が漏れ始めた。石破派から唯一の閣僚で、安倍陣営から圧力を受けたと発言し物議を醸した斎藤健農水相（５９）は再任されず、同派からの入閣はゼロになる見通し。永田町では「安倍政権の暴走の始まり」との見方が出てきた。

　悲願の憲法改正にまい進する首相が、石破派からの閣僚起用を見送る公算が強まった。自民党関係者は「斎藤農相の交代だけでなく、誰も入閣させない見通し」と語った。理由について「斎藤氏の総裁選中の圧力発言がしこりを残している」と指摘。石破派には鴨下一郎元環境相（６９）、田村憲久元厚労相（５３）ら閣僚経験者、待機組のベテランの赤沢亮正氏（５７）がいるが、入閣ゼロになる見方が広がっている。

　石破氏は２２日、改造人事に関し「誰を応援したのかはどうでもいい。その人が国家、国民のためになるかだ」と発言。総裁選中に「石破氏を支持するなら辞表を書いてからだ」と圧力を受けたと発言した斎藤農相の交代論に、能力本位で人選するようくぎを刺した。

　石破氏は議員票が１８％にとどまった一方で、地方票（党員・党友票）では約４５％を獲得。善戦に党内では「石破派を冷遇すべきではない。国民の声とかけ離れていると思われるのは間違いない」と心配する声が上がり始めた。ただ、首相周辺は冷ややか。菅義偉官房長官（６９）は「人事は首相の専権事項」、麻生太郎副総理兼財務相（７８）も「（石破氏が）善戦したとは思わない」と語っている。

　自民党関係者は「党内は安倍１強。国民の受け皿になる野党も見当たらず、正直、ごう慢と取られても仕方がない空気。真っ正面から批判すれば自分が冷遇されるので忖度（そんたく）している状況だ」と嘆く。こうした中で、石破派へのしこりを隠そうともしない強気の姿勢は党内でも世間の感覚と離れた“暴走”とみる向きも多い。「（首相周辺は）聞く耳を持っていない」とため息も出る。関係者は「大多数の国民が自民党をどう見ているかを考えるべきだという声もあるが届くかどうか」と肩を落とした。

　《野田総務相も交代か》首相は２８日に米国から帰国、１０月２日にも内閣改造を行う見通しだ。「通常の改造のように半分ぐらいが交代するだろう」という見方が広まっている。最側近の麻生副総理兼財務相や菅官房長官のほか河野太郎外相、世耕弘成経済産業相、茂木敏充経済再生担当相、加藤勝信厚生労働相らが留任の方向。総裁選で選対本部の事務総長を務めた甘利明氏の起用も有力視される。総裁選への出馬を断念した野田聖子総務相も交代するとみられている。

　《進次郎氏　副大臣抜てきプランも》内閣改造・自民党役員人事では、石破氏を支持した小泉進次郎筆頭副幹事長の処遇も注目されている。態度表明を２０日の投票直前まで遅らせたことを小泉氏は両陣営への配慮としており、副大臣や官房副長官に抜てきするプランも浮上。この日は沖縄県知事選で佐喜真淳候補の応援のため、那覇市でマイクを握り「対立から対話へ。沖縄の未来を託そう」と支援を訴えた。