米国務長官、サウジ国王に懸念表明　「記者殺害の証拠」報道も（東京新聞） - 七転八起Shichitenhakki

2018/10/17 (Wed) 10:56:04

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201810/CK2018101702000148.html






【イスタンブール＝奥田哲平、ワシントン＝後藤孝好】サウジアラビアの著名な反政府記者ジャマル・カショギ氏（６０）が行方不明になった事件で、ポンペオ米国務長官は十六日、首都リヤドでサルマン国王らと会談し、懸念を表明した。米メディアは、サウジが政府関与を否定しつつ、カショギ氏死亡を認める方向で報告書を準備していると伝えており、真相解明が進むか注目される。


　米ＣＮＮテレビによると、サウジ政府は許可していない尋問中に死亡させたとして、関与した人物の責任を問う内容を含む調査報告書をまとめる見通し。


　一方、米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は、サウジのムハンマド皇太子が尋問やサウジへ連行する計画を認めていたと報じた。ロイター通信によると、ポンペオ氏はサルマン国王や外相との会談に続き、皇太子とも協議に臨んだ。


　カショギ氏は今月二日、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館を訪問後に消息を絶った。トルコ側が同氏が館内で殺害されたことを示す音声や映像の記録を持っているとされる。サウジ政府はこれまで、一貫して「根拠のないうそ」と疑惑を否定してきた。


　だが、国際的な批判を受け、サウジ政府は十五日にトルコとの合同捜査班による総領事館への捜索を受け入れ、十六日も総領事公邸や車両の捜索が続けられる予定。ＡＰ通信によると、トルコ当局者はカショギ氏が総領事館で殺害された証拠を警察が発見したと述べた。ロイター通信によると、総領事は十六日、帰国のためトルコを出国した。


　トランプ米大統領は十五日、国王との電話協議後に「国王も皇太子も知らないようだ。ならず者の殺人者がやったかもしれない」と指摘。仮にサウジ側が殺害を認めても、次期国王と目されるムハンマド皇太子ら最高首脳は関与していなかったとの方向で決着させる可能性がある。


　カショギ氏は昨年九月に米国に移住し、米紙ワシントン・ポストなどでムハンマド皇太子の言論弾圧やイエメン内戦の軍事介入など独裁的な政権運営を厳しく批判していた。それ以前は情報機関トップの顧問を務めるなど王室と近い立場にあり、政府の内情を熟知していたとされる。