【政界地獄耳】格差社会の拡大が国民全体の許容を超えた、歴史的選挙の予感(日刊スポーツ) - 七転八起 Shichitenhakki

2025/07/03 (Thu) 14:23:03

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202507030000072.html





★第27回参院選は今日公示され、20日投開票。“熱い”選挙戦がスタートする。昨年10月の衆院選で自民、公明が少数与党に転落したままの参院選。有権者の判断材料は多く、政党も新興政党が増え首相・石破茂の中間評価などという甘いものではないことが直前の都議選の結果などからも容易にわかる。今回の参院選は改選124（選挙区74、比例50）と、東京選挙区で生じた非改選の欠員補充1の計125議席が争われる。

★自民党は直前まで衆参ダブル選挙で一気に安定政権を目指そうとしたが、そんな状況どころか、国民の自公政権離れに加速がつく。「現職自民党1人区となれば余裕の選挙戦で、その得票の勢いで比例代表も伸びていたが、本来の無風区にも新興政党が挑戦。情勢調査で僅差に迫っている選挙区は幾つもある」（自民党選挙関係者）。それも石破に人気がないとかのレベルを超え、戦後の自民党政治の矛盾と限界が突きつけられていると同時に保守系政党が増え、自民党安倍派が裏ガネで解体され、より過激な保守主義が自民党を批判し始めた。時間がたてば揺り戻しはあるかもしれないがしばらくはこの勢いが続きそうで、自民党が追い込まれる危険もある。自民党が政権から転落したら復帰するには野党に助けてもらうか、党を解体させるところまで行きかねない。それほどの爆発力が新興政党にあるが、既存政党も受け皿の役割を担うだろう。

★自民党が進めた戦後政治の矛盾とは、格差社会の拡大が国民全体の許容を超えたからだ。ガソリンは高い、コメは手に入らない、賃金は上がらず税金は増えるばかり。減税など認めない、この国にはカネがないばかりを言う自民党は裏金が発覚しても反省が見えない。そこに信頼がない。ほかの政党の魅力以上に自民党の自滅ではないか。都議選での各メディアの出口調査の結果からうかがえることは「自民支持層が自民党候補に投票しない」という拒否・拒絶が5割を超えている事実。参院選の期間は長い。その間どんなことが起こりどんな変化が生まれるか。歴史的選挙の予感だ。（K）※敬称略