【政界地獄耳】デモより強い音楽の力　エンタメを支える人たちとファンがアジアの平和(日ス - 七転八起 Shichitenhakki

2025/12/03 (Wed) 11:27:31

【政界地獄耳】デモより強い音楽の力　エンタメを支える人たちとファンがアジアの平和を生む（日刊スポーツ）
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202512030000005.html





★1日、エイベックス会長・松浦勝人はXに11月29日に予定していた、歌手の浜崎あゆみ中国・上海公演中止について「上海公演の前夜、すべてが音もなく崩れた。見せしめのようで怖かった、とどこかでこぼれた声が胸に残る」「大人たちが追い詰められていく光景は、触れただけで震えるほど重かった」と記した。浜崎は「私達は昨日の中止要請の後、無観客の状態で1曲目からアンコールまで行ってから会場を後にしました。会えるはずだった1万4000人へ向けて、演者・スタッフ全員で全身全霊で本番と寸分変わらぬ想いをもちステージをまっとうさせて頂きました」とした。これについても元首相・鳩山由紀夫はXで無観客ライブに「感激した」と書き込んだ。

★2012年、時の首相・野田佳彦が尖閣諸島を国有化した時、日本では反中、中国、台湾では反日の激しいデモが繰り広げられた。今回は激しい応酬はあるもののデモなどは行われず、食品の日本からの輸入停止や日本関連のイベント中止がターゲットだ。「台湾フォーカス日本語版」によれば今月1日、台北市長・蒋万安や高雄市長・陳其邁が相次いで「だったら台湾にいらっしゃい」と歓迎の姿勢を示した。浜崎は今年8月のアジアツアーで台北の台北アリーナで2公演、計2万6000人を動員している。陳は「コンサートや芸術、文化は政治的干渉を受けるべきではない。中国がこのような乱暴なやり方を用いることは非常に不適切」とした。浜崎は「エンターテインメントは人と人をつなぐ架け橋であるべきで、自分はその架け橋を作る側でありたいと今も強く信じています」としている。

★政治的なデモがエスカレートすれば強い対立が生まれ、戦争に発展する場合もあるだろう。エンタメを中止にしたり迫害することは相互理解や融和を分断する。しかしエンタメは浜崎が言うように逆の作用も大きい。アジアの音楽シーンは相互乗り入れが功を奏し、若者がそこから各国の文化や歴史を学ぶ場合も多い。各国のエンタメを支える人たちとファンがアジアの平和を生むかもしれない。（K）※敬称略