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金利上昇主因はインフレ懸念 (植草一秀の『知られざる真実』) - 七転八起 Shichitenhakki

2025/12/05 (Fri) 23:04:55

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2025/12/post-0e5856.html





※転載元リンク箇所あり


つい先日まで日本の長期金利上昇は財政政策が原因だとしてきたメディアが一転して説明を変えた。

12月5日付日本経済新聞は

「物価高予想、金利押し上げ」


の見出しを付して報じた。

私はかねて「インフレ心理悪化が長期金利を上昇させている」と指摘してきた。

日経新聞はこれまで、日本の長期金利上昇主因を高市内閣の積極財政政策による「財政危機不安」だとしてきた。

11月17日には

「長期金利が1.73%に上昇、財政悪化懸念で 17年半ぶり高水準」


の見出しで日本の長期金利上昇を報じていた。

記事は

「17日の国内債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは一時前週末比0.025%高い1.73%に上昇(債券価格は下落)した。高市早苗政権が掲げる経済政策が財政悪化につながるとの警戒感から、債券に売りが強まった。」

と伝えていた。

「財政悪化懸念=長期金利上昇」

は財務省が流布している「フェイクニュース」である。

財務省は社会保障支出を切り、消費税率を引き上げる「悪だくみ」を有する。


この「悪だくみ」を実現するために

「財政政策発動=日本長期金利上昇・日本円下落」

という「フェイクニュース」を流布している。

日本の財政政策運営は直近5年間、超緊縮で推移してきた。

財政政策が「積極」か「抑制」かを判定する基準は「財政赤字の増減」である。

財政赤字増加=積極財政

財政赤字減少=緊縮財政

厳密に言えば財政赤字増減には「事前」と「事後」があり、不況は財政赤字を増やし、好況は財政赤字を減らす効果を持つ。

この部分を考慮する必要があるが議論が複雑になるのでここでは捨象する。

一般会計の「歳出-税収」を「財政赤字」と定義し、その「財政赤字」の前年差の数値を見ると、2021年度から25年度まで「超緊縮」の財政運営が続いてきたことがわかる(単位:兆円)。


財政赤字減少は年平均9.9兆円。

平均約10兆円の赤字削減財政が執行されてきた。

財政政策運営が「超緊縮」であり続けたことを意味する。


この政策運営が25年度に修正される。

高市内閣は11月28日に総額18.3兆円の補正予算案を閣議決定。

一般会計歳出が18.3兆円増額され、税収見積もりが2.9兆円上方修正された。

これを加味すると2025年度の財政赤字増減は5.2兆円の財政赤字増加になる。


「超緊縮財政政策」が「小幅積極財政」に転換する。

この政策修正は妥当。

問題は中身である。

歳出追加18.3兆円の内訳は

生活の安全保障・物価高への対応 8.9兆円
危機管理投資・成長投資による強い経済の実現 6.4兆円
防衛力と外交力の強化 1.7兆円

である。

だが、「生活の安全保障・物価高への対応」のなかの「足元の物価高への対応」は2.9兆円でしかなく、このなかに、「子育て応援手当」3677億円、「食料品の物価高騰に対する特別加算」4000億円などが含まれるが、いずれも1回限りの措置だ。

恒久措置で政策を実施しなければ大きな支えにも大きな安心感にもつながらない。

18兆円の施策を打つなら消費税率を10%から5%に引き下げることができる。

このような透明、公正、大胆な施策を打つことが必要。

マクロで緊縮財政の修正は正しいがミクロの対応はまったくの旧態依然である。

続きは本日の
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第4271

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